MENTOR
INTERVIEW

次世代インフラの導入と社会生活への影響評価

条件不利地域における
次世代インフラの
社会実装


社会実装コース

先進理工系科学研究科

力石 真 准教授

次世代インフラの導入と社会生活への影響評価

 

条件不利地域を対象に次世代インフラの可能性を多角的にリサーチ

力石先生の専門分野は、生活・交通行動モデルを下敷きとした都市・交通計画、リスクマネジメントである。


「研究のカテゴリーとして3つ挙げますと、1つめが、社会の土台となるインフラが経済活動や文化活動に対してどういう役割を果たしているのかを示していくというもの、わたしはこれに一番興味があって、生活行動をモデル化し、それに基づきインフラが生活行動に及ぼす影響評価などを行っています。


2つめは、次世代インフラに関する研究で、例えば中央集権的なインフラサービスではなく、自立分散的にインフラが整備されたときにどうなるのかという研究。

3つめは、災害等の非常時も含めた形でインフラの評価を行うというものです」。
先生はこれらの研究の一貫として、過疎地域である島根県の飯南町や、インドのムンバイにあるスラムに出かけている。

「飯南町では、国土交通省主導のもと、公共交通を維持できない過疎地域で新たなインフラとなり得る、自動運転の実証実験が行われています。こうした地域には、自動運転やライドシェアリング、相乗りサービスといった比較的新しい技術が必要で、最近、次第にできるようになってきているものがどこまで使えるかといったところに関心を持って取り組んでいます」と先生。

一方、スラムの研究では、「スラムって違法なんですが、医療機関などほぼすべてを自分たちでつくり上げていて、そのシステム自体がおもしろい。政府がコントロールできないインフラというのが見られる」と言い、国がつくる中央集権的なインフラ整備とは異なるインフラ整備のあり方に、未知の可能性を探ろうとしている。


また、事業予測が外れると非難されることの多いインフラ評価に対しても、災害時に利用者数が膨れ上がった東日本の空港の例を挙げ、災害リスクを含めたインフラ評価を提唱する。

オンサイトで必須の調査とデータ分析の手法を学ぶ

力石先生がたおやかプログラムで担当しているのは、「調査方法論基礎」という授業科目である。ここでは、調査のやり方と、取ってきたデータの分析方法に関する基礎的な講義が行われる。たおやかでは途上国に出かけて、現地で直接、ヒアリング等で調査を行うため、その際に身につけておきたいノウハウを学ぶことができる。

さらに先生は、オンサイトコースローテーションとオンサイト研修も担当。これまでに、島根県益田市二条地区とインドのスラムに出かけた経験があるという。

「国内の中山間地域では、廃業したガソリンスタンドや買物施設を住民たちがもう一度作り直すという動きが各地で見られます。オンサイトコースローテーションでは、こうした成功事例に触れることができます」。


さらにオンサイト研修では、1週間の間に、調査・グループワーク・提案・住民との意見交換などが行われる。


「これらに続いてD3で行うのが、オンサイト・チームプロジェクトです。例えば、バングラデシュで行っているソーラーパネルのチームなどは、うまくいっているようですね。 技術創成の学生が安価な有機ソーラーパネルを開発して、社会実装の学生が購入者をリサーチするといった動きをしていて、途上国にはうまくマッチしています」と先生。

必ずしもすべてのチームが順調に運んでいる訳ではないが、オンサイトでの経験は、着実に学生のなかに何かを残していると先生は言う。

5年目を迎える有意義なプログラム。さらなる参加者に期待

たおやかプログラムは平成26年度よりスタート。今年4月からはいよいよ初年度からの学生が初めての最終学年に入る。5年間の集大成として、成果を論文にまとめる作業もすでに始まっているようだ。


「私自身、スタート時から特任教員として関わり、平成29年4月からはアカデミックメンターの一員になりました。その間には、さまざまな学生さん達の頑張りも見ていますから、よい形で締めくくれるよう願っています」と先生。


そして、今後の同プログラムについて、次のように期待を寄せる。

「オンサイト教育がたっぷり用意されていて、とてもいい内容のプログラムだと感じています。もちろん、専門の学びと並行して履修する訳ですから、非常に大変なのも事実。それでも、やる気のある学生さんにとっては、やる価値のあるものだと思うんですね。

さまざまな可能性が開かれていて、やりたいことをやろうと思えば、かなりのところまでできるはずです。今後も理系・文系を問わず、多様な学生さんに挑んでいただきたいと思います」。

これまでのところ、留学生が大半を占めているというのが現状だが、異分野協働とオンサイト教育を同時に経験することのできる希少なプログラムのため、日本人学生の参加者もいっそう増やしていきたいところだ。


「多文化共生といったこれからの社会の課題に興味のある方、分野を超えてつながる方法を身につけたい方などのご参加をお待ちしています」。

力石 真 准教授
チカライシ マコト

先進理工系科学研究科 先進理工系科学専攻 理工学融合プログラム

2010.4.1~ 2010.4.30 広島大学 大学院国際協力研究科 研究員
2010.5.1~2012.3.31 広島大学 大学院国際協力研究科 特任助教
2012.4.1~2013.12.31  東京大学 大学院工学系研究科都市工学専攻 日本学術振興会特別研究員PD
2012.8~2012.7 カーネギーメロン大学 Department of Engineering and Public Policy 客員研究員
2014.1.1~2017.3.31 広島大学 大学院国際協力研究科 特任准教授
2017.3~ アジア工科大学 School of Engineering and Technology 客員准教授
2017.4.1~2020.3.31 広島大学 大学院国際協力研究科 准教授
2020.4.1~ 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 准教授

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